日本人は親になる教育を受けていない

教師になるためには教職課程で,教育の理念や歴史,児童の心身の発達や心理,教科の教育方法などを学ぶ。現在の教育職養成課程が十分であるとは思わないが,これらの科目は子どもたちの教育に当たって大切な知識である。

家庭教育の教師たる両親,社会教育の教師たるボランティアにもこれらの知識は必要であるが,彼らが教職課程を経ていない場合,子どもたちは彼ら独自の教育方法にさらされることになる。子どもの発達段階や心理を無視して彼ら独自の教育方法を強要したら,子どもたちの資質を摘んでしまうことにもなりかねない。

「こんなこともできないのか」,「なぜわからない」,「だまっていうことをきいていればいい」,「とにかく学校だけは行ってちょうだい」,などの言葉に暴力が加わることがある。

それではいつから親になるための教育を始めたらいいのか。身体的な事柄については遅くとも思春期の始まる前。子どもが発達段階や能力に応じて教育を受ける権利があることは小学生の頃から。発達段階と関連する教科の進行に合わせて深めていったらいい。保健科でも理科でも公民でも道徳でも総合的な学習の時間でも扱うことができるだろう。難題は文科省や他人の幸せより自分の信念を大切にする政治家。

子どもたちがわからない理由やできない理由は様々だ。それを探すことが教育の第一歩だということを教えよう。理由がだいたいわかったら,どんな教え方がその子どもに合っているのかを探ろう。一つの事柄でもいろいろな教え方があることを先生が手本を示すといいかもしれない。義務教育の課程で子どもたちがこんなスキルに接することができれば,親になる教育の導入部ができると思う。

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